精神保健福祉法の改正

※精神保健福祉法の改正について

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律が平成25年6月19日に公布され、平成26年4月1日から施行されました。

保護者制度が廃止された

今回の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正においては、保護者制度が廃止され、医療保護入院の要件が精神保健指定医の判定と家族等のうちのいずれかの者の同意に改められました

家族の負担軽減がねらい

保護者制度の廃止については、保護者の負担軽減を図るとともに、精神科医療における家族の役割を精神科以外の医療における家族の役割と同様にすることを趣旨としています。
また、その上で、適切な入院医療へのアクセスを確保しつつ、医療保護入院における精神障害者の家族等に対する十分な説明とその合意の確保、精神障害者の権利擁護等を図るため、医療保護入院の要件が精神保健指定医1名の判定と、家族等のうちのいずれかの者の同意となりました。

以前の保護者制度の考え方

下記は以前の法律における考え方、対応の見解になります。

Q:医療保護入院の場合の「保護者」と「扶養義務者」はどう違うのですか?
医療保護入院の場合に、充分な同意能力を持たない患者のかわりに入院に同意し入院治療契約を交わすのはたいていは患者の家族ということになりますが、精神保健福祉法では「本当の医療保護入院(33条1項)」、つまり期限に制限のない医療保護入院に同意できるのは保護者ということになっています。「保護者」は、以下のような場合には、特に家庭裁判所による選任手続をへなくても自動的に決まっています。

(1)結婚して配偶者がいる場合は、配偶者が自動的に保護者になる
(2)未成年の場合は、両親が連名で保護者になる
(3)身内が1人を除いて全然いない場合は、その1人が保護者になる

しかし、そうでない場合は、例えば成年で未婚の場合などですが、一応家族(扶養義務者)の中から誰が「保護者」となるかを決めて、家庭裁判所が正式に選任することになります。

では、医療保護入院を使うのが初めての場合で、まだ選任された保護者がいない場合の入院はどうするのか?というと、それが「保護義務者の同意による入院(2項)」ということです。ただし、この場合は期限があって、4週間以内に選任手続を済ませて、保護者を決め、保護者の同意による「本当の医療保護入院(1項)」に切り替えないといけないことになっています。もし、4週間以内に切り替えられないと、自動的に「扶養義務者の同意による入院」は終わり、強制力のある入院はできなくなり、退院させるか、本人の同意による任意入院に切り替えなくてはならなくなります。

→保護者選任手続きが間に合わない