自ら入院を希望していても医療保護になる場合がある

Q:患者が自分から入院を求めてきても、医療保護入院になることがあるのですか?

A:ありえる話です。

任意入院とは、患者が入院治療契約を自分で充分に理解したうえで、自分で病院と契約を交わして成立する入院ですから、理解の仕方があいまいであったり、不正確であったりする場合は、本来的な意味での任意入院にはできないはずなのです。

患者さんの中には入院についてあまりよく理解していなくても促されれば「同意書」にサインをする人がいますが、よく理解していないようでは、任意入院はまずいでしょう。

またそのようなあいまいな理解によって任意入院にしてしまうと、いざその患者さんの気が変わって急に「退院する」と言い出した場合に非常に苦労することになるでしょう。

まとめ

任意入院の決定は患者自身がその全貌を理解し、自発的に行うことが前提となります。

しかし、患者が入院治療契約について完全に理解していない場合や、治療に対する認識が不十分な場合、医療保護入院となることもあります。

医療保護入院の存在により、指定医が患者の病状に応じて適切な治療を提供することが可能となります。一方で患者が突然の退院を決定するという予測不能な事態も避けることができます。

これは、医療保護入院が患者の人権に配慮したうえで適切に運用することができれば、安全と最適な治療結果を実現するための重要なツールであることを示しています。

それぞれの患者の状況により適切な入院形態を選択することが、精神科病院における最善の治療結果を達成するための重要な要素であると言えるでしょう。

→大量服薬や酩酊などの患者