医療保護入院における外出や外泊についての考え方
医療保護入院では本人の意思に反しても治療を行う必要性がある場合があることから、個々の患者の病状に応じて外出や外泊の制限をされることは仕方のないことです。
逆に、医療保護入院の場合は外出や外泊ができないのではないか?というと、そういうこともなく治療の段階に応じて外出や外泊を試みていくことは正しいことです。
Q:医療保護入院の患者が単独で外出をしたり外泊をするのはおかしいのではないかと思うのですが。
A:充分に単独で外出や外泊が安全にできるくらいに病状が良くなっているのであれば、いずれ任意入院に切り替えるべきでしょう。
しかし医療保護入院の患者が単独での外出や外泊をしてはいけないという決まりはありません。むしろ、医療保護入院で入院している患者を任意入院に切り替えることができるかどうかを確認するために、単独で外出や外泊に試験的に出してみることには治療上の意味があると考えることができるでしょう。
まとめ
このセッションでは、医療保護入院の理解を深めるための重要な視点として、医療保護入院の外出外泊の捉え方について確認を行いました。
医療保護入院では、患者の病状により本人の意思に反して治療を行うことがあり、外出や外泊の制限を設けることがあります。
しかし、これは患者の安全と治療効果を最優先するための措置であり、病状が安定すれば、外出や外泊が可能になる場合もあることを強調しています。
また、医療保護入院の患者が単独で外出や外泊をすることは、患者の状態が任意入院に適しているかどうかを試す有効な手段です。一方で任意入院に切り替えてからでないと、外出外泊はふさわしくないだろうという考え方が蔓延していることも事実です。
患者の人権を尊重するために、一刻も早い入院形態の変更が求められます。そのためには積極的に外出外泊を実施して評価をしていくべきでしょう。