自助グループについて
日本にはアルコール依存症の方の、2つの大きな自助グループがあり、それぞれ特徴があります。
断酒会
断酒会は1958年高知県で発足された自助グループです。
断酒会の特徴としては
- 会費や参加費で運営しています。
- 会の参加は実名での参加になります。
- 後述するAAと違い、宗教を排除した考え方です。
- 例会には家族も一緒参加できます。
AA(Alcoholics Anonymous)
AAは1935年アメリカで発足し、日本では1970年代に広がりました。
AAの特徴としては
- 会費や入会金はありません。献金で会が運営されています。
- 実名を明かさず、ニックネームでの参加になります。
- 12のステップという考え方を用います。
- 本人たちだけのミーティングになります。
12のステップとは、自分がお酒に対して無力であることを認めるところからスタートして、「段階を経て回復していく」という考え方です。その中に『神』とか『スピリチュアル』という言葉が出てきますが、特定の宗教とは関係ありません。基本的には、本人だけのミーティングになりますが、オープンミーティングと言って、だれでも参加できる会場もある。
AAについては、数が多く、東京に限って言えば、毎日、どこかの会場で、ミーティングが開催されています。
断酒会とAAの共通点
断酒会、AAとも、活動内容としては、例会、ミーティングと呼ばれる当事者どうしの定期的な集まりが主な活動内容となっています。話し合われたことは外部に持ち出さないことが原則的なルールとしてあり、お互いに体験談を語り合います。
依存症初期の方にとっては、お酒のない人生があることを知ることができたり、回復のイメージに気づいたりできる機会となります。また、回復が長年続いているような人にとっては、「お酒をやめようと」決めたときの思いを、忘れないようにする場でもあります。
周囲の偏見が多い病気であるので、生きづらさを共感してくれる仲間がいる、という精神的な支えにもなっています。
自助グループは依存症の回復にとって非常に重要な役割を担っていると考えられています。