措置入院における隔離拘束などの行動制限および通信や面会の制限
措置入院においても、隔離や拘束などの行動制限、通信や面会の制限、については医療保護入院とほぼ同じ考え方です。違ってくるのは外出や外泊の扱いです。
措置入院中の外出泊は難しい
措置入院はその定義上、「精神障害のために自傷他害のおそれのある患者」ということになっていますから、相当な医療的な監視のもとでないと外出させることもできませんし、当然外泊させることは(外泊中に常時「医療的な監視」のもとにおくことなどできないですから)できません。
そのため、病院の敷地内を職員の充分な付き添いのもとで院内外出することはできますが、敷地外にでることは実際上はなかなかできません。
措置入院中は医療的監視をすること
過去の判例で、精神病院に措置入院中の患者が院外作業から抜け出して傷害事件を起こした事件について、病院側の責任を問われているものがあり、その判決では「相当な医療的監視のもと」でしか措置入院患者は外出させてはならないとされているのです。
措置入院中の患者が離院したら
Q:もし措置入院患者の付き添い院内外出中に離院されてしまったら、どう対処すれば良いでしょうか?
措置入院患者とは、その定義上からも「自傷他害のおそれのある患者」ということですから、精神保健福祉法第39条に従い、警察署に通報して探索を求めなくてはいけないことになっています。その際、
(1) 離院した患者の住所、氏名、性別、生年月日
(2) 離院した時刻
(3) 症状の概要
(4) 患者の発見に参考になる人相、服装、その他の事項
(5) 入院年月日
(6) 保護者またはこれに準ずる者の住所氏名
を伝えなくてはいけません。
この際、これがただの行方不明患者捜索なのか、第39条にもとづく「自傷他害のおそれのある患者の探索」なのかを明確にしめさなくてはなりませんので、警察署に電話したら、これが「39条に基づく探索の求め」であることを明確に伝えるようにすべきですし、さらにそのうえで間違いがないように上記の内容を明記したファックスを流すべきでしょう。
いずれにしろ、措置入院患者を離院させてしまうことは許されることではないので、決してそのようなことが起こることがないように、充分すぎる注意をすべきです。