病状的な問題で患者本人に入院治療契約を交わすだけの理解力、同意能力がない場合に限って、家族等の同意によって成立する入院です。つまり、入院治療契約を病院と交わすのは家族等いうことになります。これは、場合によっては患者の自由意志に反して強制的に入院治療に入らせてしまうことになるために、対象となる患者が本当に精神疾患のために入院の必要があるのか?入院治療契約を交わすだけの理解力・同意能力がないのか?といったことを法律によって定められた「精神保健指定医」が診断しなくてはいけないことになっています。つまり、医療保護入院となる条件としては、

●精神疾患のために入院治療が必要な状態であること。
●しかし病状のために、それをしっかり理解し自ら入院契約に同意する能力が現時点ではないこと。
●それらのことが精神保健指定医の診察の結果確認され、確かに医療保護入院が必要であると診断されること。
●家族等の書面による同意があること。

があります。これらの条件の1つでも欠ければ、医療保護入院は成立しません。患者が医療保護入院で入院してくるためには、指定医による診察があり、指定医による「入院が必要だ」という判断がなされ、家族等による同意書が得られ、患者に告知がなされてから、という手続きを間違いなくふんでいなくてはなりません。

医療保護入院では一定期間、本人の自由意志に反して治療を行うこともあるために、閉鎖病棟を使用すること、隔離・拘束などの行動制限をすること、病状に応じて電話などの通信を制限すること、などもありえます。しかし、これらについては後で詳しく述べますが、かなり厳密なルールがあり、いい加減な理由で制限をしてはならないことにもなっています。

 

 

※精神保健福祉法の改正について

精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律が平成25年6月19日に公布され、平成26年4月1日から施行されました。

今回の精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の改正においては、保護者制度が廃止され、医療保護入院の要件が精神保健指定医の判定と家族等のうちのいずれかの者の同意に改められました。

保護者制度の廃止については、保護者の負担軽減を図るとともに、精神科医療における家族の役割を精神科以外の医療における家族の役割と同様にすることを趣旨としています。
また、その上で、適切な入院医療へのアクセスを確保しつつ、医療保護入院における精神障害者の家族等に対する十分な説明とその合意の確保、精神障害者の権利擁護等を図るため、医療保護入院の要件が精神保健指定医1名の判定と、家族等のうちのいずれかの者の同意となりました。

 

 

→措置入院