医療保護入院の行動制限2

さらに、一度隔離を開始したら、その後は(1)医師による1日1回以上の診察記録と、(2)看護による定期的な臨床観察の記録がされるべきとされています(「精神保健および精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」)。ここで看護が行うべきとされている「定期的な臨床観察」はどの程度の頻度でなされるべきかは法律には明記されていませんが、1時間に1回は観察し記録を残すようにすれば良いでしょう。

さて、「隔離」には「12時間以内の隔離」と「12時間以上の隔離」があります。実は前者「12時間以内」の方は、指示する医師が精神保健指定医でなくても良いことになっています。しかし、12時間を越えなくてはいけない場合は、指定医の診察を受けさせる必要があります。また「12時間以内」であっても、隔離は隔離ですので、前述の基準に従い適切な理由でないといけませんし、その理由をしっかり本人に告知し、カルテに書いておかなくてはなりませんし、隔離中はやはり「定期的な臨床観察」が必要になります。

一方、拘束の基準についてはさらに厳しいものであり、同じ「精神保健および精神障害者福祉に関する法律第37条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」には以下のような場合のみがあげられています:

ア 自殺企図又は自傷行為が著しく切迫している場合。
イ 他動又は不隠が顕著である場合。
ウ ア又はイのほか精神障害のために、そのまま放置すれば患者の生命にまで危険がおよぶおそれがある場合。

です。つまり隔離をもってしても危険を回避できないくらいに切迫した状況ではないと、拘束は使用すべきではないということです。

隔離が12時間以内のものについては指定医以外の医師による指示でも良かったのに対して、拘束は指定医しか指示を出すことはできません。さらに一度拘束してからの観察も隔離よりも厳しくなっており、(1)1日頻回の医師による診察と記録、(2)常時の臨床的観察、が必要とされています。看護が記録する「常時の臨床的観察」はどの程度の頻度で記録したら良いかについても、明確な法律上の記載はありませんが、だいたい30分に1回の記録を残せば良いようです。とにかく、拘束はされる患者の苦痛もかなりのものですし、いろいろな身体的な問題も起こしてくる危険があるために、できるだけ早く解除して、別の方法を見つけるべきとされていますし、本当にそうでしょう。

 

 

→隔離の注意点

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